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K-uisine

2024 SPRING

ちょっぴり塩辛く香ばしい海の味

わかめ、醤油、ゴマ油を主な材料として作るミヨックク(わかめスープ)は、新鮮なわかめの食感と香ばしくコクのあるスープとが出会い、磯の風味を醸し出す。ミヨッククは韓国にだけ存在する韓国誕生の料理だという点でも注目に値する。
わかめ

韓国には料理の味を表現する際にチャプチャルハダ(やや塩辛い)という言葉があるが、概してコクのある旨味を伴った美味しさを表現する場合に使われる。塩辛さの程度が濃すぎず薄すぎない濃度のバランスが取れたときに、韓国料理の美味しさは爆発する。このようにほど良い塩加減を完成させることが重要なスープ料理の一つがミヨッククだ。


韓国には料理の味を表現する際にチャプチャルハダ(やや塩辛い)という言葉があるが、概してコクのある旨味を伴った美味しさを表現する場合に使われる。塩辛さの程度が濃すぎず薄すぎない濃度のバランスが取れたときに、韓国料理の美味しさは爆発する。このようにほど良い塩加減を完成させることが重要なスープ料理の一つがミヨッククだ。

懐かしい特別な料理

韓国人にとってミヨッククは懐かしいおふくろの味だ。メイン料理として、時には酒の肴やダイエット食品としてもよく食べられている大衆料理ではあるが、ミヨッククを身近な食べ物として特別視している理由は他にある。

韓国では妊婦が出産するとミヨッククを膳だてた。なぜミヨッククなのか。わかめはタンパク質、糖質、繊維質、カルシウム、ビタミンA、カルシウム、セレン等々、様々なビタミンやミネラル成分を含んでいる。特にわかめの鉄分とヨウ素は体内の血液の流れをスムーズにし、鉄分の含有量が高いので貧血の予防にも優れた効果がある。そのため昔から出産を終えた産婦が必ず食べる料理とされてきた。

これが始まりとなり韓国人は誕生日を迎えるたびに、生まれた日を記念してミヨッククを食べる。誕生日には家族そろってミヨッククを食べて、誕生日を祝うのが韓国の風習でもある。

逆にミヨッククを食べるのを控える日もある。何らかの試験や面接を受ける日だ。試験や面接に落ちたという意味で使われる「ミヨッククを食べた」という言葉は、国語辞典にも載っているほどで、そういう日にミヨッククを食べるとわかめの滑りやすい性質のために滑ったり、転んだり、落ちたりするという俗説があるからだ。

簡単な調理法

ミヨッククのレシピは比較的シンプルで簡単だ。材料は乾燥わかめ、牛肉、朝鮮醤油、ゴマ油、そして塩があれば十分だ。乾燥わかめを水に浸して十分に戻してから、水気を切って4~5㎝の長さに切る。牛肉はメインの食材というよりは風味を加えつつ、トッピングとして縦横1~2㎝の大きさに切って使う。鍋にゴマ油を引いてから、準備した牛肉とわかめを入れて表面に火が通るまで炒める。この時わかめと牛肉からでる旨味が香ばしいゴマ油と合わさり、食欲をそそる風味となる。炒めたわかめと牛肉からだし汁が出たら、そこに水を加えて、朝鮮醤油と塩で味をつけて30分以上煮込めば出来上がりだ。水は普通の飲料水を入れてもかまわないが、より濃厚な味を出すには煮干しでとっただし汁や、米のとぎ汁、またはサゴルクッムル(牛骨を長時間煮込んだ濃厚な味のスープ)を入れるとよい。ミヨッククにみじん切りにしたニンニクを少し入れるとさらに風味が増すが、わかめと牛肉の本来の味を楽しみたければ省略してもよい。

わかめ

最も基本的なミヨッククは、わかめと牛肉を材料として作ったもので、その地域の環境や特産物によって種類も多種多様だ。.

長時間、煮込むば煮込むほど深まる味

わかめ特有のコリコリしていながらもヌルヌルとした食感とやや塩辛いスープ味に、牛肉の風味が加わりその旨みは倍増される。わかめは海草の一種で磯の香りをいっぱいに含んで育っているので、そのまま食べると海の塩辛さと生臭さが強く感じる。しかし、きれいに洗った後に水に浸す過程を経れば塩辛さは抑えられ、そこはかとない磯の味と香りだけが残る。わかめを牛肉と一緒にゴマ油で炒め、そこに水を加えて煮こむと各材料のうまみ成分が引き出されて、ミヨッククは煮込めば煮込むほど旨味が増してくる。出来上がりを食べるよりも二度目、三度目に食べたほうが遥かに美味しいと感じるのもそういう理由からだ。

熱々のミヨッククに炊き立てのご飯を入れて、さらによく漬かったキムチを乗せて食べると、それ自体で体に良い薬膳になってしまう。その重厚な旨味は韓国人が最も好きな、そして最も馴染んだ美味しさだ。

ミヨッククのようにわかめを主材料とするスープ料理は韓国にだけある伝統料理だ。他の国では目にすることさえない。日本では味噌汁にわかめを入れる場合もあるが、そのわかめは非常に少量であり、みそ汁のメインは味噌なのでわかめが主人公の料理だとは言えない。

そのため韓国のミヨッククは外国では多少馴染のない料理だと言える。ソウル鍾路区で韓国料理レストラン「トゥレユ」を開いているトニー・ユシェフはイタリア留学した際、友人たちを家に招いてミヨッククをご馳走したことがあったという。当時各国から来ていた留学生たちは皆、ミヨッククを見て「この真っ黒でヌルヌルしたおかしな物体はなんだ?」と言って怪訝そうな顔をしたという。しかし、一度その味を体験した後からは「アンコールミヨックク」を要請したという。彼らにとってミヨッククは見慣れないものではあるが、食べれば食べるほど中毒性のあるほど美味しいミヨッククシチューだったのだ。

産母ミヨク

産母ミヨク(産婦が食べるわかめ)と呼ばれるわかめは、海で採れたばかりのものを海風と天日で乾燥させたもので、固くなく濃い出し汁がとれることが特徴だ。
© ゲッテイイメージコリア

地方ごとに特色のあるミヨックク

韓国のスープ料理はその種類が何であれ、地方や家庭ごとに食べる形態や使われる材料が少しずつ異なる。これは地方ごとに特産物が違い、それぞれの家庭の好みの食材が違うからだ。

ミヨッククのもっとも基本的な形はわかめと牛肉を入れるものだが、牛肉の代わりにアサリ、ムール貝、シオフキ貝のような貝類やカレイやサンマ、太刀魚のような魚類を入れたりもする。それこそ海の幸、陸の幸が調和したスープ料理だと言える。

サンマ料理の多いウルルン島では、牛肉の代わりにサンマを入れてサンマミヨッククを食べる。調理の際サンマは身だけ取り分け、片栗粉、溶き卵などの材料と混ぜたあと、小さく丸めてスープに入れるのが特徴だ。サンマは他の魚に比べて脂肪が少なく香ばしいのでミヨッククに入れても全く生臭くなく、むしろ淡白な味が魅力だ。慶尚道の一部の地域ではセアルミヨッククを作る。セアルはもち米粉を丸くこねたもので、モチモチした食感とわかめのコリコリした食感が合わさり独特な味を引き出す。済州島に行くとウニを入れて作るソンゲアルミヨッククがある。天然のウニは韓国でも非常に高価な食材だ。まるでプリンのようにクリーミーで、ウニ特有の新鮮な海の香りがいっぱい詰まった済州島のソンゲアルミヨッククは一般のミヨッククとは違い、高級料理として認識されている。

その他、干し明太を入れたプゴミヨックク、鶏の胸肉を細かく裂いて入れた鶏肉ミヨックク、太刀魚をいれたカルチミヨックク、海老をいれたエビミヨッククなど韓国のミヨッククの種類は実に多彩だ。

多様なレシピ変数

ミヨッククその種類は豊富で長い間親しまれてきた料理だ。にも拘わらず、その歴史に比べて韓国にミヨックク専門食堂が多くないのはアイロニーだ。ミヨッククは家庭で手軽に作れるごく一般的な料理だという認識が強かったため、外食料理としては人気がなかったのだ。

それが数年前からミヨッククの専門店が登場している。大部分の店では一般的な牛肉ミヨッククの代わりに特別な材料を入れたミヨッククを提供している。中でもカレイを一匹丸ごといれて圧倒的なビジュアルを生かしたカジャミミヨックク、高級食材のアワビをいれたチョンボクミヨックク、牛肉の中でも非常に貴重で高価な部位、霜降り肉を入れたチャドルバキミヨッククなどが人気だ。スープに使う水も一般のミネラルウォーターの代わりに、様々な貝類や肉類を入れて長時間煮込んだだし汁を使っているので、その味は遥かにコクがある。平凡なミヨックク料理だが特別な食材とだし汁が合わさり。もう一つの新しい料理に生まれ変わったのだ。

韓国を訪れることがあればぜひミヨッククを食べて欲しい。黒くヌルヌルとしたわかめの見た目は見慣れぬ感じを与えるかも知れないが、熱いミヨッククに炊き上がったばかりの熱々のご飯を入れて食べれば、こんなに美味しい料理はないと実感するだろう。



黄海嫄 月刊外食経営 編集長
李民熙 写真家

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